「知的発達」をどのようにとらえておられますか?

本園では、幼児期の知的教育とは、単に文字を書いたり、数を数えたり計算したりすることではないと考えています。

自分でしっかり考えて行動する自主性や、物の特徴に気づいて意欲的・創造的に行動する能力や体力、いのちの尊さにめざめ、自然や人と物との関係がわかる、豊かな情操と社会性を身につけていく基本となるものが本当の知的教育だととらえています。

ですから、「智慧の眼を開く」という仏教精神を基調に、発達段階に即した豊かな経験を積み重ね、すべてのこどもが持っている無限の可能性を頭と心と体の全面にわたって開花させる保育をしています。

-規則模様を楽しむ-

聞きなれない言葉かもしれません。これは、全国でも例がない、本園が実践している「数の教育」です。
2002年、世界の国際会議「国際会議数学の文化史」でも発表しました。
本園の特色ある保育として、その内容と作品をご紹介いたします。
「規則模様」を楽しみながら作った、園児の作品をご覧ください。

子どもの作品をご覧いただくと、色合いの面白さ、個性的なデザイン、想像力に驚かされることでしょう。
どうやって描いたのかなと疑問を持たれるかも知れません。
これらの作品には2時間、3時間と集中して出来上がったものも多数あります。
なぜ、そんなに集中できるのかな?とも思われますか?そこには、0歳(規則のもつ面白さを意識し始めるのは2歳ころ)からの積み重ねの保育があるのです。
本園の子どもたちは、身の回りにある様々な模様の面白さ美しさに、規則があることに気づいています。元になる一つの絵が、いろいろな規則によって構成されて、模様が作れることを、0歳からのつみかさねの体験を通して理解させているからです。規則を知る前には、物の特徴、物と物の関係がしっかりととらえられていなければなりません。
ですから、上下、左右の位置関係や、順番、交替、対称など、年齢発達に応じた遊びの中からいろんな事に気付かせて空間意識を理解させていきます。こどもの遊びの中には必ずねらいがあり、遊びの中から発達する姿をみながら、保育の質を高めていきます。決して英才教育とか押しつけの保育では個性的な創造性は生まれてこないと思います。規則がわかると2時間、3時間かかっても楽しんでかきあげます。その中に、思考力、想像力、根気力、緻密性などが育ちます。このような積み上げ保育の結果、たくさんの良い作品が出来上がっています。そこからまた、子ども達に自信が生まれ育ち、無限の可能性が開花しているのです。
(※「こどもギャラリー」のページでさまざまな作品をご覧いただけます。)